2024年4月19日金曜日

うま過ぎ魚卵の珍味カラスミ

 こんばんは、こうちゃんです。


海の幸に珍味は数多く存在しますが、こちらは見た目や味はおかしくなく、ささやかめな珍味で、とはいえそのおいしさや希少さで、日本三大珍味のひとつにも数えられている、カラスミです。



からすみ(唐墨、鰡子、鱲子)は、ボラなどの卵巣を塩漬けし、塩抜き後、天日干しで乾燥させたもの。名前の由来は形状が中国伝来の墨「唐墨」に似ていたため。

日本ではボラを用いた長崎県産のものが有名だが、香川県ではサワラあるいはサバを用いる。日本以外でも台湾やイタリアのサルデーニャ島、スペイン、エジプトでも作られる。原材料として、ヨーロッパではボラ以外の海産魚の卵巣も用いられ、台湾にはアブラソコムツを使うものもある。

江戸時代より、肥前国のからすみは、越前国のウニ、三河国のコノワタとともに、日本の三大珍味と呼ばれている。塩辛くねっとりとしたチーズのような味わいは、高級な酒肴として珍重される。薄く切り分けて炙り、オードブルに供したり、すりおろして酢を混ぜてからすみ酢にしたりして使用する。

「からすみ」の名は、一説には肥前国の名護屋城(現在の佐賀県唐津市)を訪れた豊臣秀吉が、これは何かと長崎代官・鍋島信正に尋ねたところ、洒落で「唐墨」と答えたことに由来するとも言われている。


台湾ではボラのからすみを「烏魚子」(北京語:ウーユーズー、台湾語:オーヒージー)という。台湾での食べ方は表面の薄い膜を剥ぎ取ってから、酒を表面に軽く塗り、弱火で裏表を一、二分ずつ繰り返しあぶり、表面が白くぶつぶつになるまでかりかりに焼き上げる。出来上がったら、薄くスライスして食べる。大根または葉ニンニクと一緒に爪楊枝で刺して食べられることが多い。夜市の屋台でも焼いたからすみを売っている。


また、油魚(アブラソコムツやバラムツの総称)を使った「油魚子」(北京語:ヨウユーズー、廈門語:イウヒージー)と呼ばれる食品が屏東県東港鎮で考案され、クロマグロ、サクラエビと合わせて「東港三宝」と称する特産品として販売されている。ボラのからすみよりも大きいため、塩漬けも乾燥も時間が余計にかかり、技巧を要する。乾燥は季節や大きさにより異なるが、2週間からひと月を要する。ボラは網で捕るため、時にストレスで魚卵に血が入り、色が黒く、臭みのあるものができるが、アブラソコムツは延縄漁で釣るため、血が入ることは少ないという違いがある。大きいことや製作に手間がかかることから、産地でも一腹数千円とボラのものよりも数倍高価である。


イタリア語ではボッタルガ (Bottarga) という(英語ではボターゴ Botargo)。ボッタルガには必ずしもボラの卵巣だけを使用するのではなく、タラやマグロなど他の海産魚の卵巣を利用する製品もある。ほぐして、パスタにあえて食べる例が多い。東地中海沿岸ではメゼの一品として親しまれており、薄く切ってオリーブ油とレモン汁をかけ、パンと共に食べる。


韓国語では魚卵(オラン)という。塩漬けをする日本に対し韓国では醤油を希釈した出汁で漬けており、毎日3 - 4回ゴマ油を塗り付けて干す点が日本のからすみとの違いである。また日本ではボラの卵巣のみを漬けるのに対し、韓国ではボラだけでなくニベの卵巣も漬ける事も日本との違いである。



ねっとり濃厚な旨味で、漬け込んだ魚卵なので、たらこ、明太子のような感じで料理に使え、

実際、お茶漬けや、バラしてパスタや、調味料のようにして料理に使ったりもします。そのままおつまみのようにして食べても美味で、高級な肴になりますね。


生産量がめっきり少なくなったためか、ボラ自体はよく獲れるのに、カラスミの方はかなり高価になっております。時折居酒屋などでもメニューに見られますので、機会があればぜひお楽しみください。


こうちゃん

日本では定番ウニ(塩うに)

こんばんは、こうちゃんです。


今ではもうお寿司等で定番となっておりますが、海外から見ればかなり珍しい食材にあたる、ウニ(塩うに)です。


wikipediaによると

ウニ(海胆、海栗、英: Sea urchin)は、ウニ綱に属する棘皮動物の総称。別名にガゼなど。なお、「雲丹」の字をあてるときはウニを加工した食品について指す。日本の俳句では春の季語。


生殖腺(精巣・卵巣)を食用にする。主に食用とされるのは日本産に限れば、バフンウニ、エゾバフンウニ、ムラサキウニ、キタムラサキウニ、アカウニ、シラヒゲウニの6種類である。日本へ輸入されるものとしては韓国産、ロシア産のエゾバフンウニ、キタムラサキウニの他、チリのチリウニ、カナダやアメリカなどのホクヨウオオバフンウニやアメリカムラサキウニなどがある。


生殖腺を取り出したものや、塩蔵などの加工品は漢字で雲丹と表記されることもある。


古来から日本では、ウニを保存用として塩を用いて加工されたものが、日本の三大珍味に数えられている。これは生食のウニではなく、あくまで「塩雲丹」と呼ばれる加工されたウニである。とくに知られていたのは「越前の雲丹」であり、「越前国(現在の福井県東部)で生産加工された塩雲丹」のことである。

現在の日本では、刺身や寿司ネタ、海鮮丼など生食することが多く、鮮度が重要視される。なお、ウニの臓器は、口に入れたときに雑味や臭みを感じさせるため、中に入っているであろう海藻と共に取り除かれる。また、ウニを使ったアイスクリームである、ウニアイスも存在する。



トロけるような口当たりと磯の香りで、主に生食が好まれ、お寿司や刺身、うに丼などで広く食されています。焼いてもまた甘みが増して、表面を炙って食べる焼きうになどの食べ方も。

いかんせん高価で、いつでも大量に食べられるような食材ではありませんが、北海道などは名産地で、観光地のお寿司屋や市場で割とお買い得価格で手に入ります。


こうちゃん

2024年4月18日木曜日

コマイの干物のかんかい(寒海)

 こんばんは、こうちゃんです。

こちら、みんな大好き北海道の海産物の珍味のひとつで、
かんかい(寒海)といいます。
かんかいとは、氷下魚(コマイ)という魚を干したもので、干物のことをこう呼ぶ他、氷下魚自体も、北海道では「かんかい」とも呼びます。
干した物をそのまま、あるいは焼いてからマヨネーズ醤油や一味唐辛子をつけて食べます。

北海道以外ではなかなか食べられないものですが、最近では都内などでも北海道郷土料理のお店なども徐々に増えまして、目にする機会、口にする機会も出てきています。

よろしければぜひ味わってみてください。


こうちゃん

鮭の頭から作る珍味の氷頭なますに内臓珍味のめふん

 こんばんは、こうちゃんです。

鮭の頭から作る北海道ならではの珍味のひとつ、
氷頭なます

のご紹介です。


氷頭膾(ひずなます)は、鮭の頭部の軟骨を酢締めにした膾の一種である。

氷頭とは鮭の鼻先の軟骨部分を指す。氷のように透きとおっているためこのように呼ばれる。

おせち料理の一つとして、正月の祝い膳によく用いられる。元来は鮭の穫れる地方の料理であるが、新巻鮭を利用して古くから全国的に作られている。

生あるいは新巻鮭の頭部を薄切りにし、塩をして酢で洗いさらに酢につけてしばらく置いた後、荒めに切って洗っておいた大根と合わせて、酢・砂糖・塩を合わせた調味料で和える。好みにより千切りにした柚子の皮をのせたり、イクラをのせてもよい。

見た目透き通った軟骨のこりこりとした食感が身上である。


鮭の名産地で食べられるなますで、

主に北海道などのご当地グルメと化していますが、その食感や酸味で、おつまみにとてもよく、

日本酒、焼酎などが進むよい肴です。


さらに、今回はもう一品、鮭の珍味をご紹介。


世にも珍しい、鮭の腎臓を使った塩辛の一種、めふんです。

めふんは、オスの鮭の中骨に沿って付いている血腸(腎臓)を使って作る塩辛である。

北海道の地方料理であり、料理店などでは珍味として扱われている。スーパーマーケットや土産物店では、100g程度の瓶詰めとして流通している。

また、川を遡上中の「ぶなざけ」と呼ばれる鮭の腎臓が材料として良いとされる。

色は黒く、食感にとろみがあり、主に酒肴として珍重されているほか、ストレスを回復させる栄養素であるビタミンB12や鉄分が豊富に含まれているため、健康食品としても注目されている。

かなり独特の風味、味があるため、好みは分かれますが、好きな人には酒の肴として人気です。



なかなか他地方では食べられませんが、北海道料理の居酒屋さんなどで見かけた際には、ぜひチャレンジしてみてください。


こうちゃん



2024年4月17日水曜日

においは強烈ながらおいしいくさや

 んばんは、こうちゃんです


においが強烈でクセがあるが、好きな人にはたまらない


くさや


のご紹介です。



くさやは、魚類の干物の一つで、伊豆諸島の特産品として知られている。クサヤモロなどの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の匂いや風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにした食品である。

新島における方言で魚全般を指して「ヨ」と言われており「臭い」+「魚」=「クサヨ」が転じて「クサヤ」になったと言われている。また、新島ではくさやを製造している水産加工業者を指して「イサバヤ」と呼んでいる。


くさやは、新鮮なムロアジ類(クサヤモロなど)、トビウオ類、シイラなどの魚を使用した干物であり、伊豆諸島での生産が盛んである。

味は塩辛いながらもまろやかさがあり、味わいから感じるほど塩分は高くはない。独特の匂いによって好き嫌いが分かれるが、日本人が好きな発酵した魚の香りやうま味から、ご飯のおかず以外に、「島焼酎」と呼ばれる伊豆諸島産の焼酎や、コシの強い(乳酸の多い)日本酒によく合うとされる。


開いた新鮮な魚を、「くさや液」(くさや汁)と呼ばれる浸け汁に8 - 20時間ほど浸け込み、くさや液をよくなじませてから真水で洗浄し、天日に1 - 2日ほど干す。

一般の干物製造と同様に、近年は天日によらず、乾燥機などを使用した強制乾燥も行われている。 出荷に際しては、独特の臭気があるため、大抵は臭いが漏れないような配慮がなされ、真空パックや瓶詰めなどとして出荷される。

一般的には焼いて食べるが、生でも美味しく食べることができる。


産地は東京都の伊豆諸島各島で、特に新島、八丈島、伊豆大島、三宅島などが盛んであるが、現在は、小笠原諸島の父島でも生産している。新島村にはくさやの加工団地があり、その所在地は「東京都新島村本村くさやの里」である。

三宅島におけるくさや製造は2000年の三宅島噴火による全島避難により壊滅したが、一部の製造者は近年の帰島後、新島の製造者よりくさや液を提供され、くさや製造を一時再開したが、材料となる魚種が近海で採れなくなったため、現在はくさや液の維持のみを行っている。



こうちゃん

2024年4月16日火曜日

うま過ぎ高級アワビの肝

 こんばんは、こうちゃんです。

和食でも、中華料理などでも人気の高級貝類のひとつ、アワビ、

その身もおいしいですが、肝はさらに秀逸な旨味を持っていて、

貴重なこともあって、アワビの肝は珍味とされております。



アワビの肝は、貝から身をはがす時に傷をつけないように注意して、取り外した肝をそのまま炒めたり、裏ごしして醤油に溶かして肝醤油としてアワビの刺身につけても大変美味です。

変わったところで、肝の唐揚げにしたり、お粥に入れたりもします。

どのように食べてもおいしく、人気の高級珍味となっております。


和食では定番の、アワビの肝醤油を作って食したり、



なんと驚き!

パスタソースにしても大変美味なのです。


ちょっとした高級食材なので、そうそう手軽に食べられませんが、贅沢をしたい日にありがたい珍味のひとつですね。


こうちゃん

カラストンビ

 こんばんは、こうちゃんです。


正規の料理としてはまず登場しませんが、好きな人にはたまらないおつまみなどになる食材、カラストンビです。



カラストンビ(烏鳶)は、タコ・イカの顎ないしは顎板の俗称。また、その周囲の筋肉や口球の部分、あるいはその加工食品を指すこともある。

口を前後から閉める位置に1対があり、それぞれ「上顎板」と「下顎板」と呼ばれる。外から見える部分は黒色であるが、奥へ行くにしたがって色が薄くなる。キチン質からなる硬い組織である。この顎板自体は食用に適さないため、カラストンビという名称で売られている加工食品は、顎板を取り除いて周囲の肉のみ食べるか、すでに取り除いて肉のみとなっているかである。ただし、一部の製品によっては製造工程や加工方法を工夫すると顎板自体が煎餅のようにパリパリになることから、その歯ごたえに注目した製品も売られている。

カラストンビの周りの筋肉は硬いが、かむほどに味が出る。主に、酒の肴(燻製、郷土料理、珍味)として利用される。


こうちゃん

2024年4月15日月曜日

福島名物紅葉漬(こうようづけ)

 こんばんは、こうちゃんです。


今回ご紹介したいのは、福島県の人気郷土料理のひとつで、


紅葉漬(こうようづけ)


です。


紅葉漬(こうようづけ)は、福島県伊達市の郷土料理である。

鮭の切り身に米麹、塩を混ぜ、そこに甘みとまろやかさを加えるためイクラをあえて、漬け込み発酵させたもの。紅葉の季節の鮭で作ることと、漬け上がった鮭と麹の色合いが紅葉に似ていることが、名前の由来となっている。

江戸時代から福島県内に伝わる伝統食。その昔、阿武隈川の宮城県伊具郡丸森町から福島県伊達市梁川町にかけてが鮭のよい漁場となっていたことから、その鮭を使った保存食として作られた。魚の保存食でありながら生の触感を持つ、珍しいものとなっている。

現在も伊達市の企業を中心として作られているが、時代の変化に伴って塩分を控えめにするなどの改良も加えられている。



〇〇漬けというと、お野菜の漬物が多いですが、

なんとまあ、こちらは鮭の身を米麹で漬けるという、かなり斬新な漬物の一種で、

発酵して、こなれた味になり、鮭好きにはたまらないですね。

さらに豪華に漬けた鮭の身にいくらを添えて食べる場合などもあり、

大変おいしそうです。


なかなか他地域で食べる機会もないですが、通販などや、物産展などでぜひ☆


参考

https://kyoudo-ryouri.com/food/594.html


こうちゃん

畑のキャビアとんぶり

 こんばんは、こうちゃんです。


今回は、野菜?植物?の珍味、


とんぶり


のご紹介です。

畑のキャビアとも言われ、安価ながらプチプチ食感がたまらず、おいしい食材です。



まずはとんぶりとは何か、というところから


とんぶりは、アカザ科ホウキギ属の一年草であるホウキギ(学名Bassia scoparia (L.) A.J.Scott (synonym Kochia scoparia (L.) Schrad.)ホウキソウ、ホウキグサ)の成熟果実を加熱加工した物の、日本語での名称である。日本では古来、民間療法で用いる生薬の一つであったが、現代では日本文化における食品の一つとして用いられることが多くなった。

食品としての「とんぶり」の由来は、箒の材料とするためにホウキギを広く民間で栽培していた近世の日本にて、飢饉に瀕した出羽国の米代川流域(現・秋田県比内地方)に暮らす民がその果実をなんとか工夫して食べることに迫られ、加工したのが始まりとされる。以後、これが当地域の特産物として定着し、現在、国内で商品としてとんぶりを継続して生産・出荷している産地は大館市のみと言われている。

とんぶりの生産方法は以下の通り。

ホウキギの成熟した実をコンバイン等で収穫。

1週間ほど天日や乾燥機で乾燥させる。

乾燥した実を釜で十分に煮て、24時間湯温でふやかす。

実を揉んで果皮(外皮)を取り除き、脱水する。

直径1~2mm程度の粒状で、味は無味無臭だが、プチプチとした歯触りを楽しむ食材として使われることが多く、「畑のキャビア」とも呼ばれる。



ちょっと珍しい食材ですが、最近ではスーパーなどでも売っていますので、このプチプチ食感を楽しんでみるとよいかと。もちろん値段が激安ですから、本物のキャビアには及びませんが、まったく別の食材として十分楽しめます。


ちなみに、キャビアは魚卵で海鮮ものによく合うとすれば、

とんぶりは野の物なので、野菜や山菜などと合い、とろろに乗せたり、サラダにかけたり、庶民的な食事に活きる食材です。


参考

https://raregourmet.flatsubaru.net/doku.php?id=%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%B6%E3%82%8A


こうちゃん





とんでもスメルなシュールストレミング

 こんばんは、こうちゃんです。


だいたいこのブログでは国内珍味の数々を紹介してまいりましたが、

今回ちょっと海外の情報で、そして、なんとまあ、最強クラスとして有名な珍味のご紹介をば。


それが、缶詰界の珍味最強を誇る

シュールストレミング

です。

ひとたび缶を開けたら辺り一面に広がる異臭、手についたら洗っても落ちない異臭を放つ汁w

屋内での開封を死を意味するような激ヤバ缶詰です。



一部航空会社などでは、機内持ち込み禁止にしていたりするほどですが、

日本では、個人輸入や、一部のお店などで入手することができ、とんでもチャレンジャーが時折挑戦して報告を上げていたりします。

そんなヤバい代物の素性は・・・


シュールストレミング(スウェーデン語: surströmming [sʉ̌ːʂtrœmːɪŋ] スーシュトレンミン、フィンランド語: hapansilakka, hapankala )は、主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。その強烈な臭いから、「世界一臭い食べ物」と評されることもある。

スウェーデン語で「スール (sur)」は「酸っぱい」を、「ストレンミング (strömming)」は「バルト海産のニシン」を意味する。フィンランド語のhapansilakkaも同じ意味で、hapankalaは「酸っぱい魚」を意味する。

旬に得られる食料を保存し生き延びようとする、古き知恵のひとつ。

中世ヨーロッパでは食肉の代わりに塩漬けの魚(タラ、ニシン)が盛んに流通していたが、保存には塩が必要だった。北欧に位置するスウェーデンではニシンは豊富に獲れたが、製塩に必要な日射も薪も乏しく、塩は貴重品だった。 それゆえに用いられた樽で薄い塩水に漬ける保存方法は、固形の塩と層状に詰め込む塩蔵保存に比べ、腐敗は防げても発酵は止められなかった。しかし、塩を節約して(通常では耐え難いほどの臭気を発する水準まで極度に発酵するが)ニシンを保存できることは、14世紀頃にはすでに広まり、17世紀には王軍の主要な糧食とされるに至った。

バルト海で4月から5月にかけて獲れた産卵期直前のニシンを材料とし(これはかつて、勅令で定められていた)、頭とワタを除いたそれを90kg入り樽の薄い塩水に漬け、12-18℃で10-12週間発酵させる。商品によって切り身のままのもの、頭や腸も使っているもの、カズノコが一緒に入っているものなどがあるが、カズノコは食べるべきでないとされている。

発酵食品であるために食べ頃があり、販売の解禁日は8月の第3木曜日とされているがこれは涼しい北欧の場合で、日本の夏の気温下では注意する必要がある。開缶して魚体が液状化したものは、分解が進みすぎている。

19世紀に缶詰が実用化されて以降、缶の中で発酵を継続させる形式のシュールストレミングが出現してきた。缶詰は7月に製造され、8月後半に食べ頃となる。

通常、缶詰は保存食として製造されるため、内容物は滅菌される。しかしシュールストレミングは、日本の漬け物のように発酵状態を保ったまま缶詰にされ、缶の中で発酵が進行する。密封状態で発酵させるため、発生したガス(二酸化炭素など)圧によって丸く膨らむ。こうした状態の缶はスウェーデン各地のスーパーマーケットでよく見られる。殺菌を行わないことから日本では缶詰の定義から外れ、JAS法などに基づき「缶詰」と標記できない。

開封する際は、そのガスによって汁が噴出すると臭いが広範囲に拡散するため、屋外で開けることが推奨されている。 噴出を抑える手段として、水中で開封することも行われるなど開け方はいくつかあるが、缶を傾け内部にガスだまりを作ってそこに缶切りを突き立てる方法が最も一般的である。

また、発酵食品であるため保管環境により匂いや味が大きく異なり、インターネット上で行われている「試食会」等のレポートでは、その反応にかなりの差が見られる。

2014年2月、ノルウェーにて25年間にわたり放置された缶詰が小屋から発見され、缶詰の専門家が出動して処理にあたった。爆弾処理班への相談も行ったが、出動はされなかった。中身は具材の原形を留めず液体状で臭気もひどく食用に堪えられなかった。

フィレの場合は皮から身を剝がして、骨付きの場合は骨と皮を取り除き、塩気が強いので、ジャガイモやトマト、スライスした紫タマネギとGräddfil(スウェーデンのサワークリーム)とともにTunnbröd(トゥンブロードと呼ばれるスウェーデンの薄いパン)に載せて食べる。

室内で食べると臭気がなかなか消えないので、屋外で食べることが多い。場合によっては食べる前にウォッカなどの酒類、または牛乳などで洗うこともあり、アクアビット(北欧の蒸留酒)で洗うと3~4割臭みが減るという。

主にスウェーデン北部で食べられ、南部などそれ以外の地域での消費量は少ない。


本場以外は、海外でも食用例は少ないというのに、

日本人はほんと食に対する情熱がすごく、どんなものでも挑戦してみるのですねえ。



決してオススメはしませんが、怖いもの見たさでチャレンジしてみたい方には、かなりの称号を差し上げたいほどの難易度ですね。


参考

https://raregourmet.flatsubaru.net/doku.php?id=%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0


こうちゃん